中古物件を購入する時の注意点

04.20.2020 | ブログ, 不動産購入

restaurant

「設備投資を抑えたい!」「まずは居抜き物件でチャレンジしたい!」

新規でスクラッチからレストランを作って出店する方よりも、中古物件を購入してレストランを開業しようと思う方のほうが圧倒的に多いですよね。既存の設備もそのまま使えるケースも多いですし、金銭的には多くのメリットがあります。

ただし、中古物件でも注意しなければいけない点があります。これは私が飲食店経営をしていた時の実体験でもあり、「あのとき知っておけば良かった!」という内容ですので、読書の皆様にもぜひ知っておいてほしいです。

では、具体的に「どのような点に注意しなければいけないのか」を説明します。

 

【中古物件は2種類に分類される】

Coffee Shop

 

中古物件は下記のように2種類に分かれます。

中古物件は2つに分類される

1.既存のレストランビジネスをそのまま購入する場合

2.旧テナントが閉店してから90日以上経過している、またはコンセプトを変える為に厨房機器や店内のリモデルを行う場合

 

です。

 

それでは、上記2点では具体的にどのような違いがあるのか?その相違点がどのような影響を及ぼすかについて説明していきます。

 

既存のレストランビジネスをそのまま購入する場合

既存のレストランビジネスを、そのままの状態で購入する場合は、営業権(ヘルスパーミット)をオーナーチェンジという形でそのまま使用する事ができます。ですので、物件取得後からお店を閉めずにそのまま営業することが可能です。

「既存のビジネスをそのまま買い取りたい!」という方、特に「アメリカ移住するためのE2ビザ取得目的」の投資家様にはこちらのタイプの中古物件がお勧めです。

 

旧テナントが閉店してから90日以上経過している、またはコンセプトを変える為に厨房機器やリモデルを行う場合

前のテナントが閉店してから90日以上経過している物件を購入する場合や、新しく自分のコンセプトでお店を開店するにあたり、厨房機器の変更や大幅なリモデルを行う場合は、Plan check 」というカリフォルニア郡の公衆衛生局(Public Health Department)が定める店舗設計基準を満たしているかの検査を受ける必要があります。私が飲食店を経営していたときに、このPlan Check の存在を知らず、当初予定していた予算を大幅に超えてしまった経験があります。

例えば、30年続いた寿司レストランを造作譲渡(アセットセール)で購入するとしましょう。あなたのお店のコンセプトはラーメンだと仮定します。寿司屋からラーメン屋にコンセプトを変更するにあたって、新しく厨房機器の入れ替えや色々と店内のリモデルを考えています。あなたがこの物件を契約した場合に注意しなければならない事は、30年前の店舗設計基準に沿って作られたお店を、現行の基準に則してお店を作り直さなければいけません。

例えば、トイレの設計基準がADA(身体障害のある方)対応していない為にトイレを解体し、一から作らなければならない、キッチンフロアの素材が現行の設計規定に反する為、全てタイルの張り替えを行わなければならない等々。。。

予算を抑える 」為に中古物件を購入したにも関わらず、新規でレストランを作る工事費と変わらない出費になる場合があるので注意が必要です。当初私も2か月程でオープンまでの計画を立てていたのですが、結局開店まで5か月も掛かってしいました。その間の家賃、予想外の工事費で毎日辛い思いをしていたことを今だに覚えています。。。

 

【Plan Check(プランチェック)とは】

Plan

レストランを含む食品を扱う施設は、カリフォルニア郡の公衆衛生局(Public Health Department)が定める基準を満たしていなければ営業することはできません。

その基準を満たしているかどうかの検査を「Plan Check」と言います。このPlan Checkは、ヘルスデパートメントのプランチェック部門に指定の図面を提出し、その後図面上で問題が無い場合は承認(パーミット)がもらえます。もちろん、図面上で不備がある場合は描き直しです。プランチェック部門の図面の承認後、ビルディング&セーフティ部門に図面を提出し、必要なパーミットをビルディング&セーフティの各部門から取得します。各部門からのパーミットを取得後、ようやく工事がスタートできます。工事終了後、実際にビルディング&セーフティの各部門の検査官が現場に来てインスペクションを行い、最終的にヘルスデパートメントのプランチェックの検査官も最終のインスペクションにきます。そこで特に問題無ければ、営業許可証(ヘルスオペレーティングパーミット)が発行されます。Plan Check の細かい過程についてはこちらブログで説明していますので、そちらをご確認ください。

 

プランチェックが必要な4つのケース

①旧ビジネス(テナント)が90日以上閉鎖されている、または、何かしらの理由で営業許可証が取り消されている

②旧テナントのコンセプトとは違うメニューを扱う

③リモデルする

④厨房設備および備品の変更、交換、または追加を行う 

 

上記の4点をまとめると、

前述した通り「既存のレストランビジネスをそのまま購入する」場合を除いては、全てのケースでPlan Checkを受ける対象になります。

 

Plan Checkのレビューにかかる期間

基本的には、Plan Checkの申請費用を払ってから、約20日間かかります。実際にレビューされる順番は先着順になりますので、混雑状況により

レビューにかかる日数は前後することが多いです。通常よりも早くレビューしてほしいという場合は、Expedited plan review 」というオプションがあります。

これは、追加で料金を払えば、優先的に10日以内レビューをしてもらえるオプションです。

 

【まとめ】

今回は、「中古物件を購入する時の注意点」について説明しました。

詳細はCounty Los Angeles のRetail Construction Guideline

を参考にしてください。