「Exempt」 と 「Non Exempt」 Employee の違いについて

04.25.2020 | ブログ, 飲食店運営

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アメリカの雇用形態には「Exempt」Non Exempt」という2種類の方法があります。アメリカで働いている経験があれば、一度は聞いたことがある言葉ではないかと思います。しかし、実際これらの違いを理解していない方も多く、お客様から多く質問を受けるひとつです。

この記事では、「Exempt」 と 「Non Exempt」Employee の違いについて説明していきたいと思います。

 

【Exempt と Non Exemptとは?】

アメリカ連邦の労働基準法FLSA(The fair Labor StandardsAct)定められた法律で、従業員をExempt (“適用対象外”) EmployeeNon-Exempt (“非適用対象外”)Employeeに区分します。

何が「Exempt (適用対象外)」なのかというと、FLSA やカリフォルニア州の労働基準法の規定に「適用対象外」ということです。

つまり、上記の労働基準法に定めらている内容に準じた雇用形態がNon-Exempt (“非適用対象外”)Employee、それ以外がExempt (“適用対象外”) Employeeになります。

このExemptNon Exemptの違いは大きく3つあり、以下が「Exempt」に求められる条件です。

 

Exemptに求められる3つの条件

①最低給与が決まっている(Minimum Salary)

②ホワイトカラーの業務を行っている(White Collar Duties)

③業務に対して決定権がある(Independent Judgement)

 

それでは、この③点において「Exempt」 と 「Non Exempt」ではどのような違いがあるか見ていきましょう。

 

【Exemptの給与について/Minimum Salary】

Diagram with arrow showing growth of salary

Exemptで雇用される場合の給与のポイントは2点あります。

 

Exempt給与2つのポイント

①最低給与額が決まっている

残業代(Overtime)がでない

 

です。

 

Exemptの最低給与額は、Federal(連邦)とState(州)でそれぞれ設定されており、カリフォルニア州の場合は、州の最低給与額が連邦の最低給与額を上回るため、州の最低給与額が適用されます。また、州が設定する給与額は、企業が抱える従業員数(①25名以下、②26名以上)でも異なります。

 

「Exemptの給与の計算公式

 

【州の最低時給(Minimum Wage)× 2×2080(40時間×52週)】

※州の最低時給の2倍に一日の勤務時間8時間×5日(40時間)と年間52週間をかけて算出

 

2020年1月時点のカリフォルニア州「Exemptの最低給与額

 

①従業員25名以下

 $12×2×2080=$49,920

②従業員26名以上

 $13×2×2080=$54,080

 

※上記はカリフォルニア州の2020年のExemptの給与額になります。

毎年1月に州の最低時給が変わり、それに伴い最低給与額も変更するのでご注意ください。

 

【Non Exemptの給与について/Minimum Wage】

payday concept calendar with marker and circled day of salary

Non Exemptの給与は、連邦や州、市の定める最低時給(Minimum Wage)』になります。こちらは、店舗の所在地従業員数により異なりますので、担当のCPAにご確認頂くことをおすすめします。

 

2020年1月時点のカリフォルニア州「Non Exempt」の時給

 

①従業員25名以下

$12

②従業員26名以上

$13

Non Exemptでの雇用の場合は、Exemptとは異なり以下の条件で残業代(Overtime)が発生します。

 

残業代(Overtime)

①1日8時間を超える勤務及び週累計40時間を超える勤務➞通常の時給の1.5倍

② 1日12時間を超える勤務➞通常の時給の2倍

 

【Exemptとして雇用するための条件/White Collar Duties

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「従業員を新たに採用したいが、残業代は払いたくないので、そのポジションをExemptにすることは可能か?」という話をよく聞きます。

しかし、最低支払い給与以外にもExemptとして雇用するための条件」がいくつかあるので、その条件を満たすかどうかが重要です。

 

以下の業務がExemptとして雇用するための条件になりますので見ていきましょう。

 

Exemptとして雇用できる職種

Professionals(弁護士や会計士などの専門家) 

Administrators(総務)

Executives(管理職) 

※この他にも、ITプログラマーや営業職など、条件によってExemptとして雇用が可能です。ここでは、レストラン運営に関わる方向けの説明になりますので、詳細は割愛します。

 

レストラン経営の現場では、Executives(管理職)Exemptとして検討できる役職だと思いますので、Executives(管理職)として満たさなければいけない条件を説明します。

 

【Executives(管理職)に求められる条件/Independent Judgement

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求められる条件は以下3点になります。

Executivesに求められる3つの条件

①主な業務がマネジメントであること

②2名以上のフルタイムの部下がいること

③部下の採用、解雇に権限があること。または、部下の昇進について助言、推薦ができること

 

例えば、レストラン経営。

 

小規模のレストランの場合、マネージャーがサーバーやキッチンスタッフとして働く場合も多いですよね?この場合は、マネジメント業務よりも、現場での業務の割合が多いとみなされ、「Executivesに求められる条件を満たしてないことになります。ここで気をつけてほしいことが従業員(管理職)からの訴訟です。

 

訴訟内容はこうです。

 

「Exemptとしての最低給与はもらっているが、実際はマネジメント業務はほぼやらせてもらえていない!だから、私はNon Exemptのはずだ!今ままでの残業代払え!」とこんな感じです。。。

この場合ですと、仮に連邦や州が定めるExempt最低給与を支払っていたとしても、従業員がExemptとして認められない場合、会社はオーバータイム未払いでペナルティを受ける形になります。

 

【まとめ】

この記事では「Exempt」 と 「Non Exempt」Employee の違いについて説明させて頂きました。Exemptの扱い非常にシビアな問題です。Exemptの雇用を検討される場合は、専門の弁護士と相談することをお勧めします。

弊社では、このような問題に強い弁護士もご紹介しております。ご質問がありましたら、ぜひお気軽にご連絡ください。